このような症状はご相談ください
- 高齢者
- 骨折の既往
- 背中や腰の痛み
- 身長が縮む
- 背中や腰が曲がった など
骨粗しょう症について
骨粗しょう症を発症する患者様の多くは女性です。閉経による女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関与する骨吸収スピードの亢進が主な原因と考えられています。
また男女に関係なく高齢になると新しい骨をつくる代謝作用(骨リモデリング)のスピードが低下し、これに伴って骨形成のスピードも低下して発症する老人性骨粗しょう症のほか、飲酒や喫煙、運動不足など生活習慣の乱れ、ダイエットなどによる栄養不足などによって発症することもあります。
また、病気や薬が原因で骨粗しょう症を発症することがあります。
発症しやすい病気として甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病 などが、薬剤としてはステロイドの長期服用、メトトレキサート、ワルファリンなどが、よく知られています。
主な症状について
骨量が減少することによる自覚症状は現れにくいので発症初期で気づくことは少なく、骨折を契機に検査をして初めてに発症に気づくというケースも少なくありません。
ただ、症状が進行すると、背中や腰に激痛が走る、身長が縮む、背中や腰が曲がっていくという症状が現れ、ふとした弾みで転んで手を着いただけなのに骨折していたというようになります。
なお骨折しやすい部位には、大腿骨近位部、橈骨遠位端、脊椎、上腕骨頚部、下腿骨、骨盤などが挙げられます。
とくに大腿骨を骨折すると寝たきりになる確率が高くなるので要注意です。
検査について
骨粗しょう症を診断するための検査として、骨量を計測する骨密度測定を行います。
同検査には様々な種類がありますが当院では2つの異なるエネルギーのX線を利用して骨密度を測定するDXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)により評価します。
また骨折の有無などを診断するためにはX線(レントゲン)やCTによる検査を行います。
骨密度測定の結果が、脆弱性骨折(ほんの少しの外力で生じる骨折)のある方はYAM(若年成人平均値)の80%以下、脆弱性骨折のない方でもYAMの70%以下であれば骨粗しょう症と診断され、治療が必要になります。
治療について
原発性骨粗しょう症は骨の老化や生活習慣病が大きく関与するため、食事療法や運動療法に併行して薬物療法を行います。
続発性骨粗しょう症に対しては、特定の病気が原因であれば原疾患の治療を、薬剤が原因であればその使用を中止する、もしくは減量するといった処置が行われます。
また骨粗しょう症と診断された場合は、それぞれの病態に合わせた治療が行われます。使用される薬物として、骨代謝マーカーの測定など骨の状態を評価し、骨代謝を調整する薬(カルシウム製剤、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤)、骨吸収を抑制させる薬(ビスホスホネート、SEAM(選択的エストロゲン受容体作働薬)、カルシトニン製剤、デノスマブ)、骨形成を促進させる薬(チリパラチド、ロモソズマブ)が使用されます。