当院の人工透析

人工透析のイメージ写真

日本透析医学会により透析専門医および指導医と認定された医師が担当します。
透析治療の開始時期や透析治療の管理、慢性腎不全や透析治療の合併症の予防や治療など、透析治療だけでなく個々の患者様の全身状態を把握し、ライフスタイルなども考慮して、より良い生活を過ごせるように診療いたします。

腎代替療法について

腎不全の状態になると、水分や老廃物を制御することが不可能になります。
その場合、人工的にこれらを行い腎臓の代替えを果たす治療(腎代替療法)を必要とします。腎代替療法として、血液透析や腹膜透析、腎臓移植術などがあります。
当院では血液透析だけではなく、近隣の高度医療機関と連携しながら腹膜透析の導入や腎移植術を推進しております。
腹膜透析の定期的な管理や腎移植術に関連する診療や相談も行っています。

当院における血液透析治療

血液透析治療

血液透析治療のイメージ写真

血液透析治療は、腎代替療法としてはさまざま理由から、最も多くの患者様により選択されています。
残存する腎機能などによりますが、通常は1回につき約4時間行われます。
透析時間が長ければ血液浄化量の増加と緩徐に除水できることなどによると考えられる良好な臨床成績が報告されていることから、当院では患者様のライフスタイルを尊重しつつなるべく長時間の透析治療を受けて頂くことを提案しています。
通常の血液透析では血液浄化に使用する透析液を一人につき1回あたり100L以上を必要しますし、最近の透析機器や透析液作成装置の性能が向上しているため、透析液が直接体内に入るような治療も可能になりました。そのため、良質な透析液が大量に必要となりつつあり、また良質な透析液を大量に使用する透析治療の治療成績の向上も報告されております。当院では、最新の透析液作成装置と透析監視装置を導入することにより、良質な透析液を必要十分に使用し、安全で効果的な血液透析を行っております。

バスキュラーアクセス

血液透析を行うには、大量の血液を効率よく体外に出して浄化し返却するためのバスキュラーアクセスを必要とします。血管の状態から「シャント」などとも呼ばれております。これは、通常の血管や人工血管を外科的に処置し作成しますが、非生理的な血流の持続や透析治療を行うための頻回の穿刺などにより、狭窄または閉塞することがしばしば問題になります。これらのためにバスキュラーアクセスが機能不全に陥ると、血液透析を行うことが困難になります。
このような問題を予防するために、当院では透析中のきめ細かな観察や診察に加えて、超音波断層装置を用いた診断や、バルーンカテーテルを用いた拡張術(通常PTAと呼ばれております)を行っております。

個々の病態を考慮した全身管理

慢性腎不全は極めて特殊な病態ですが、腎臓・透析専門医などの研究により少しずつ明らかになってきました。
また、透析機器や技術の向上により透析治療を受けている患者様の予後も改善し(寿命も延びて)長期間にわたって透析治療を受けることも少なくなくなりました。
その反面、さまざまな特有の合併症や問題がしばしば出現します。
当院では、腎臓・透析専門医や透析スタッフは透析管理だけではなく、これらの予防・早期発見・進行の抑制に努めております。

心臓血管病変

慢性腎不全患者様で最も多い死亡原因は心不全です。
これは、主に慢性腎不全による高血圧や水分管理能の欠落が心臓の負荷を増し心不全が併発・進行すると考えられます。
当院では、通常の胸部レントゲンや血液検査による心臓の負荷状態を示すマーカーなどに加えて、高性能の心臓超音波検査を定期的に行うことにより心臓の状態を把握した透析治療を行ったり、循環器内科専門医に早期に紹介することにより心不全の予防に努めております。
また、バイオインピーダンスを用いた検査も併用することで、非侵襲的に水分量を監視しております。
慢性腎不全、特に糖尿病を原疾患とする場合、全身の血管病変によりさまざま問題が出現します。例えば、脳血管障害・狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患・大動脈病変・下肢などの閉塞性動脈硬化症などです。
当院では、定期的な診察に加えて血圧脈波検査装置による評価に、マルチスライスCT装置(必要な場合は造影剤を投与しながら撮影をします)や超音波検査による画像的評価を併用することにより、早期に的確な診断ができるように努めております。

骨ミネラル代謝病変

慢性腎不全の有無に関わらず、誰でも加齢とともに骨粗しょう症が発症します。
しかし、慢性腎不全の患者様は、より早期(若年)から、より速く進行します。
また、この病態は単なる骨粗しょう症(骨の脆弱性による骨折など)だけでなく、上記の心臓血管病変にも関与していることが明らかになっております。
これに対して、最近、製薬技術が発展しさまざまな治療が可能になりました。しかし、これらを的確に行うためには、高度で専門的な知識を要します。
当院の腎臓・透析専門医は長年にわたりこの病態を研究していたため、的確な診断や治療を行えると確信しております。
また、DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)を用いた骨密度測定装置を導入しており、本症の診断に貢献しております。

さまざまな老化性病変の進行に対して

慢性腎不全を有する患者様では、下記に示すようなさまざまな老化性病変の進行が亢進します。
悪性腫瘍(癌)、神経障害、呼吸器障害、消化器障害、筋力障害(サルコペニアやフレイルと呼ばれ骨格筋量と筋力の低下など)、皮膚の乾燥や掻痒などの皮膚障害、貧血などの血液障害など。
当院では、これらに対し、血液検査などに加えてさまざまな検査装置を用いた定期検査により、早期に診断し、必要な際には自治医大病院などの連携する高度な医療機関に速やかにご紹介することに努めております。
当院で透析治療を受ける全ての患者様に対して、個々の病態や年齢などの背景を考慮して、上記のような全身的な診療を行っております。

個室透析

個室透析のイメージ写真

当院では、インフルエンザウイルスなどの感染症の予防だけではなく、上記の通り透析時間が長時間に及ぶことから透析治療時間の有効活用やプライバシーを保持することなどを目的に、ソーシャルディスタンスを確保した透析室(ベッド間をやや広く配置しております)にて血液透析治療を行っております。また、使用料が別途必要になりますが、個室にて透析治療を行うこともできます。見学などを希望される場合は、スタッフにお伝えください。

夜間透析に対応

夜間の外観写真

当院では血液透析を必要とする個々の患者様の社会的な活動を考慮した診療を行っております。
これらへの支障を軽減するため、夜間(18:00-22:30を中心とする時間帯)にも透析診療を行っております。

送迎を行います

当院から自動車での30分圏内を目安に無料の送迎サービスを行っております。
詳細については当院スタッフにご相談下さい。

送迎範囲 車で30分圏内